お互いの個のスペースを有しながら、リビングや窓越しに交流を育む
畑に囲まれたのどかな環境の一角に建つ、シャープなデザインの大きな家。ここはAさん家族を中心に、夫の両親と祖母と妹、妻の親が暮らす5世帯住宅。互いに気兼ねなく暮らせる家づくりをR+houseに依頼しました。「自分の好きなアイテムが映えるシンプルでモダンなデザインで、温かな雰囲気の家にしたいと思いお願いしました。」と振り返ります。設計を担当した建築家の三浦直樹先生は、Aさん世帯を建物の北側に配置。その上部は妻の親のスペース、南側の1・2階は夫の両親と祖母と妹のスペースとして、各世帯を絶妙な距離感で配しました。加えてAさんの要望で、玄関と浴室は共有、トイレはふたつだけという無駄を省いたプランに徹して、声掛けしやすいようにしました。
「親たちには子どもたちの面倒を見てもらえ、私は夫のおばあちゃんのお世話もお手伝いできます。支え合える生活は、多世帯住宅の魅力ですね」と奥様。お互いに干渉せず、自分の生活スタイルを保ちながら生活する。ひとつ屋根の下で心地よく暮らす、大家族の理想的な住まいが実現しました。
広い土間の玄関
靴収納のSCはあるが、お気に入りの靴や小物を飾るオープン棚をつくり、眺めて楽しめるように演出。
親世帯へと続く土間
タイル敷きの玄関土間の先は夫の親世帯へと続く。和テイストに仕上げ、情緒あふれる京都の小路のようなしっとりとした雰囲気が漂う。左側に見える木製建具の内側には和室がある。
みんなで集まる交流の和室
トップライトで明るさを得ている和室。障子は和紙の風合いがありながら丈夫で破れにくいワーロン紙を利用。玄関土間からの光を室内に届ける。天井には竹を用いたように見えるクロスを、壁材はしっとりとした雰囲気のクロスを採用した。
木彫りの欄間
欄間は夫の実家で使われていたものを再利用した。新しいものも素敵だが、代々受け継がれていくものも趣があっていい。
土間リビング
大きな窓辺の土間リビングには、センスのいい椅子を置いてくつろぎの空間に。内と外の中間領域は、玄関や掃き出し窓からつながるので来客と気軽なお話の場にもなり、暮らしの幅が広がる。
キッチンからの開放感ある眺め
大窓とウッドデッキを屋内外がシームレスにつながるように計画。ひとつながりの大きな空間となることで、面積以上の広さを感じることができる。
センスのいい家具が並ぶダイニングキッチン
インテリアは、シンプルでモダンを好む奥様がチョイス。ダイニングテーブルはドイツの家具ブランド・TECTA(テクタ)のM21、ペンダントライトはフィンランドの照明ブランド・Secto Design(セクトデザイン)のOcto4240。
大容量のキッチンバック
キッチンに大容量の背面収納を設置。ストック食材などを収め、オープンキッチンをスッキリと保っている。
ストレートの鉄骨階段
黒いアイアン製の鉄骨階段はオープンな空間のアイストップに。床と階段の段差はベンチ代わりとして使うことも多い。
ウォークスルークローゼット
Aさん家族共有のクローゼットはウォークスルータイプで玄関方向と洗面コーナー方向から出入りが可能。外出時の動線に沿って洋服を選べるので便利。
造作の洗面コーナー
洗面コーナーは造作してオープンなつくりに。上部に窓を設けて光を確保。グレーのクラフトタイルを使い、レトロなイメージに仕上げた。
シンプル空間のトイレ
シンプルなトイレはお掃除も楽々。ユニークなペーパーストックがオブジェのようで素敵。
建物と続く大きなウッドデッキ
LDKと畑の間にウッドデッキを設置。リビングと畑をつなぎ、室内外の一体感を楽しめる。お茶を飲んだりバーベキューしたり、子ども達の遊び場として大活躍している。
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